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案件のプロセス管理により
新規顧客獲得と既存客フォローの両立を実現
 
 
 温度に特化した計測機器を製造販売するチノーは、1993年に現地法人「上海大華-千野儀表有限公司」を設立。記録計、 調節計、放射温度計、計装システムなどを販売し、温度管理に関するソリューションを提供している。中国市場が「量」より「質」 を求めるようになることで、同社の高付加価値の製品の優位性が高まっている。中国経済が減速するなか、営業効率の向上もあり、2018年の売上高は前年比40%増と好調を維持している。


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 どのような業界であれ、ものづくりには欠かせない「温度管理」。 その厳格化を実現する同社の製品は、製造設備に組み込まれるため、販売先は装置メーカーとなる。販売体制は、直販と全国6都市 にある代理店。4年前までは、代理店による販売比率が全体の35%を占めていたが、西口明彦総経理が赴任してからは直販の比 率を上げ、現在は、代理店チャネルは20%程度まで低下している。 同社の製品は汎用品ではなく、顧客が製造する設備によって仕様が異なるいわばカスタマイズ製品であるため、営業マンには経験と提案力が求められる。その提案力により磨きをかけるために、直 販を強化してきたのだ。
 
 「中国市場が量から質を求められるようになった」(西口氏)ことにより、付加価値の高い同社製品のニーズはますます高まっている。ところが、営業マンの動きや顧客の動向を把握しきれていないという課題があった。エクセルによるアナログ的な管理には限界がある。新規顧客を獲得する一方で、既存客のフォローが不十分だったため、一度きりの取引で終わってしまうことが少なくなかった。いかに既存客を維持しながら新規を増やしていくかが、大きな課題だった。西口氏は赴任すると、それらの課題を解決するため、すぐにシステム導入に着手した。日本にいるときからソフトブレーン創業者の宋文洲の著書を読み、システムの理念に共感していたことも決断を後押しした。
 
 「営業マンは人であり、アナログ的な動きしかできないので、それ をデジタル化して管理する必要があります。どうしても人に依存し てはいけない部分があります。その部分をシステムで管理することで、たとえば訪問件数がどれだけ契約に結びついているかも見えてくるはずです」(同氏)
 
 そうした期待を胸に、同社では2016年にeセールスマネージャー(eセールス)を導入したのだった。

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 営業と間接部門を合わせ、20アカウントを運用している同社は、段階的にeセールスの導入を進めた。最初はスケジューリング、訪問、報告といった活動管理からはじめ、その次の段階として、案件 とその進捗におけるプロセス管理を加えていった。「従来は結果だけを評価していましたが、プロセスも評価する必要 があります。それによって、プロセスに問題がある営業マンは、結果が出なくても言い訳ができなくなりますし、スケジュール管理から訪問、レポート、進捗管理とすべてのデータが揃うことで、管理の 効率が向上します」(同氏)  
 
 これらのデータから見えるようになったのは、個人の能力の差 だ。優秀な営業マンは、訪問件数がそのまま見込み案件に移行す るケースが多いが、そうではない営業マンは、訪問そのものが目 的になってしまっていることがわかった。  
 
 営業部の王立偉部長は、各営業マンのレポートに目を通したら 必ずコメントを返しているが、そうした伸び悩んでいる営業マンに対して的確なアドバイ スをしている。そうして営業マンに「常に見られてい る」という意識を与えることで、きちんと報告することを習慣づけているのだ。  
 
 同社の営業マンは全国を飛び回っているが、なかには、遠方に赴くことで満足してしまっ ている営業マンもいる。そこで同社では、今までの紙での申請をや め、eセールスのワークフローに出張申請を組み込んだ。事前に予 算化し、承認を得なければ出張は許されない。そうすることで、無意味な出張を削減することができるようになった。  
 
 こうして細かくプロセスを管理することで、案件管理の効率が向上。既存客のフォローにも力を入れるようになり、eセールスは同 社の売上増に大きく貢献した。

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 同社におけるeセールスの運用は、常に進化している。2018年か らは、見積書と契約書をリンクさせる機能を実装した。見積書を登 録すると管理者に承認依頼が発生するので、管理者が「知らな かった」というケースがなくなった。人に依存する部分を極力なくし、「ヒューマンエラーを最小限にする」(西口氏)ことを目指している結果だ。  
 
 さらに2019年春からは、出退勤管理を取り入れた。営業マンが全国を飛び回る同社では、営業マン一人ひとりの行動を把握する のは不可能に近いが、出退勤管理機能がそれを可能とする。営業 マンが外出先で「出退勤」のボタンをタップすると、GPSを通じて位置情報を取得できる仕組みになっているのだ。「会社はちゃんと見ているんだぞと、営業マンの背中を押す」(同氏)ための取り組みであり、それを徹底するために同社では、各自にスマート フォンを支給した。  
 
 さらに現在検討中なのは、微信(WeChat)を利用した「マーケティングオートメーション」との連動だ。同システムは、展示会の出展ブースにてQRコードから集めたフォロワーに対し、WeChatを通じて情報を発信した際、ページ閲覧の有無によって同社に対する関心の度合いがわかり、潜在顧客を発掘することができるツールだ。その潜在顧客情報をeセールスで管理することで、効率的に営業活動することができるのだ。同社はソフトブレーンの新しいサービスをマーケティングにも活用しようとしている。


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